日本救急看護学会雑誌
Online ISSN : 2189-6771
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ISSN-L : 2189-6771
最新号
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総説
  • 山際 李奈, 中村 美鈴
    原稿種別: 総説
    2026 年28 巻 p. 11-20
    発行日: 2026年
    公開日: 2025/12/26
    ジャーナル オープンアクセス

    世界的にテロ行為の脅威に晒されており、それは日本も例外ではない。また日常的にも化学薬品の流出やガス爆発による事故は起きており、Chemical、Biological、Radiological、Nuclear、Explosive(以下、CBRNEと略す)に対する医療従事者、中でも看護師の対応能力の備えは必須といえる。本調査では(1)CBRNEインシデントに病院で対応する看護師の備えの程度と、(2)看護師のCBRNEインシデントに対する備えに影響する因子について、先行研究レビューを実施した。レビューは、「スコーピングレビューのための報告ガイドライン(PRISMA-ScR)日本語版」に準拠して実施した。文献検索にはCiNii、医中誌Web、PubMedなどのデータベースを使用し文献を収集した。検索の結果、選抜された文献は14件であった。看護師のCBRNEインシデントへの備えの状況は、中等度からとても低い結果であった。備えに影響する因子は、過去のCBRNEインシデント対応経験、災害管理コースなどへの参加、職場環境などが抽出された。看護師のCBRNEインシデントへの備え状況には国や地域で差があるとともに、調査は十分にされているといえない。しかしながら危険は継続しているため、調査を進め、国や地域の実情に合わせた訓練の実施が急務である。

研究報告
  • ~日本救急看護学会が主催する教育コースやセミナーによる救急看護実践へのよい影響~
    石川 幸司, 増山 純二, 田戸 朝美, 中野 英代, 市村 健二, 明石 惠子, 佐藤 憲明, 山勢 善江, 中村 美鈴, 山勢 博彰
    原稿種別: 研究報告
    2026 年28 巻 p. 1-10
    発行日: 2026年
    公開日: 2025/12/26
    ジャーナル オープンアクセス

    1998年に設立された日本救急看護学会が主催する各教育コースやセミナーを専門的な継続教育として受講することによる救急看護実践への影響を検討し、救急領域の看護実践への貢献の実態を明らかにすることを目的に調査を実施した。 有効回答者は346名で、救急領域の経験は平均11.8±6.2年であった。コースおよびセミナーの受講状況は、外傷初期看護セミナーの受講者数が189名(54.6%)ともっとも多く、次いでトリアージナースコース120名(34.7%)、フィジカルアセスメントセミナー106名(30.6%)であり、セミナーごとに大きく差が認められた。セミナー受講による影響は、外傷初期看護セミナーでは「一次評価」や「救急処置・看護」、フィジカルアセスメントセミナーでは「身体所見」や「生理学的徴候」に関する項目について自身の救急看護実践によい影響があったと認識しており、セミナーによって項目に差が認められたが、学習目的に合った項目によい影響を与えており一定の学習効果があったと考えられる。 開催地や開催回数などから受講率に差も認められ、企画運営に関する課題はあるが、日本救急看護学会が主催するセミナーは救急看護領域で働く看護師の実践能力向上に寄与できる可能性が示唆された。 今後、学会として救急看護実践能力を評価する学会認証制度を整備し、救急看護の標準化、ならびに看護の質の保証と向上を目指していきたい。

  • 谷 幸一
    原稿種別: 研究報告
    2026 年28 巻 p. 21-32
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/08
    ジャーナル オープンアクセス

    救急外来とICUに共通する患者と家族の意思を尊重したend of life care、およびそれぞれの場の特徴を踏まえたend of life careを明らかにすることを目的とした。患者と家族の意思を尊重したend of life careを主題とするfocus group interviewを3回実施した。研究参加者は7名で、救急外来もしくは集中治療室の勤務経験がある看護師と専門看護師であった。データは質的記述的に分析した。分析の結果、救急外来と集中治療室に共通するend of life careは「善意が擦れ違わないように患者と家族の心情に寄り添う」「患者と家族、医療者間の認識のずれに対し、それぞれが歩み寄ることができるようにかかわる」、救急外来では「患者が急激に最期を迎えた状況を家族が感じ取ることができるようにあえて救急外来の空間にいてもらう」「救急外来の空間にいる患者と家族に関心を寄せていることが伝わるようにかかわる」、集中治療室では「入院経過におけるタイミングを逃さず、患者の最期の思いに応える」「入院経過のなかで患者の最期が近いことを家族が認識できるようになるまで待つ」など8カテゴリー、15サブカテゴリーが導かれた。これらから、患者と家族、看護師が相互作用しながら患者と家族のニーズに応えていくこと、医療者が患者と家族の歩みに合わせてかかわることの重要性が示唆された。

  • 浅野 茜, 髙橋 由起子
    原稿種別: 研究速報
    2026 年28 巻 p. 33-44
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/08
    ジャーナル オープンアクセス

    目的:救急外来で終末期患者の家族が代理意思決定を行う場面における医師および看護師の思いを明らかにすることである。

    方法:救急科専門医7名、救急看護認定看護師8名に半構成的面接を実施し、Krippendorffの内容分析を参考に質的帰納的に分析した。

    結果:医師では209のコード、19のサブカテゴリー、5つのカテゴリーが生成された。看護師では334のコード、27のサブカテゴリー、5つのカテゴリーが生成された。

    結論:医師は、患者の意思を優先するために、患者と家族へのアドバンス・ケア・プランニングの動機づけが必要であるという思いがあった。家族に対しては、誰か一人に代理意思決定の責任を負わせたくないという思いがあった。看護師に対しては、家族の心情に寄り添い、患者の現状に関する理解度や家族の本音について情報収集をすることに期待する思いがあった。看護師は患者の尊厳を守り、安らかに最期を迎えられるようにしたいという思いがあった。家族に対しては、間接的なかかわりも含めて家族ケアととらえていた。看護師には、医師の意図をくみ取り医師と家族間の関係調整をしたいという思いがあり、医師と看護師には共通する思いと相違する思いがあった。互いの思いを理解して協働することが、多角的な家族支援の実施と充実につながる。本研究の新規性は、救急外来における終末期患者の家族支援において、医師と看護師の思いを比較・検討した点にあり、職種間の相互理解と協働の促進に資する知見を示した。

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