2024 年 12 巻 1 号 p. 12_18-12_27
本稿は,福岡女子商業高等学校で実施された高大連携アントレプレナーシップ教育プログラム「スプラウト」の教育効果を分析したものである。「スプラウト」は,大学生が講師役となって高校生に経営学や会計学の理論を教える形式で進められ,販売実習「女子商マルシェ」での実践経験を含めた全5回のアクティブ・ラーニング形式のプログラムである。ASTEE(2014)によるアントレプレナーシップ教育に関するサーベイ調査を用いて,高校生が管理会計教育の学習成果として財務(会計)リテラシーや計画策定能力,資源調達能力を得たかどうかに焦点を当てて分析を行った。その結果,本プログラムを受講した高校生の「財務リテラシー」や「計画策定」の能力に教育効果があったことが示された。以上から,アクティブ・ラーニングを取り入れたアントレプレナーシップ教育プログラムは会計教育にポジティブな影響を与える可能性を示唆する。