2021 年 9 巻 1 号 p. 9_2-9_11
本稿では,本学会研究プロジェクト「中小企業人材に対する管理会計・原価計算教育に関する研究(2018年度・2019年度研究プロジェクト)」研究成果の最終報告として,長崎県に本社を置き事業展開を行っている産業用機械装置メーカーA社およびIT総合企業の亀山電機で実践されている会計教育を主たる研究対象として,中小企業の競争力向上および計画された財務指標の達成を可能にする会計教育の要素を析出することを目的としている。
A社および亀山電機では,経営トップの強いリーダーシップのもと,会計教育(管理会計教育)が実践されている。A社は経営トップ主導により,同社管理会計実践のための社内ネットワークシステム(Aシステム)の構築を自社開発によって実現し,これにより管理会計教育も実践されている。亀山電機は,2015(平成27)年にバランスト・スコアカード(Balanced Scorecard:BSC)を導入しているが,同社では管理会計教育としてBSC教育が実践されている。