選挙研究
Online ISSN : 1884-0353
Print ISSN : 0912-3512
ISSN-L : 0912-3512
一票の格差のリスク実測による衆議院小選挙区制見直しへの考察
根本 俊男
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2012 年 28 巻 2 号 p. 51-61

詳細
抄録

選挙制度を設計・評価する際に一票の格差が重要な指標の一つになっている。例えば,衆議院小選挙区制においては格差2倍未満を原則として設計がなされ,一方で2倍を超える格差の観察により問題有りとの評価を受けている。この一票の格差のリスク把握が選挙制度をめぐる議論を整理する鍵となっている。ここでは,2010年に一票の格差2.524倍が観察された衆議院小選挙区制に対するリスク実測を基に改正案への考察を加えたい。まず,2012年時点で現行制度での格差縮小の限界が2.098倍であると現状リスクを把握し,次に一議席事前配分廃止案での格差縮小の限界が1.898倍,0増5減案では1.931倍とリスクを実測する。これらから,現行制度では2倍未満への格差是正は不可能で,是正効果では一議席事前配分廃止案が理にかない,0増5減案に対して報道されている1.789倍との格差是正効果は誤認であることなどがわかる。

著者関連情報
© 2012 日本選挙学会
前の記事 次の記事
feedback
Top