抄録
ソーシャルメディアのエコーチェンバー化が政治的分断を促進しているという問題が顕在化してきている。エコーチェンバー化した環境はフェイクやヘイトの温床となり,民主的な意思決定の阻害要因となる危険性がある。本論文では,SNS分析によってエコーチェンバーの実態を調査し,その特徴を再現する数理モデルを構築した。シミュレーションの結果,エコーチェンバー化する速度には,社会的影響力の大きさと社会的切断の頻度が影響することが明らかになった。さらにSNSの分析から,自分の政治的態度とは逆の態度のユーザーを少数フォローすることが情報多様性を改善し,エコーチェンバー化を緩和する可能性があることが明らかになった。