日本原子力学会誌
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48Tiおよび51Vの(α, n)反応の反応断面積
井口 明天野 恕田中 重男
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1960 年 2 巻 11 号 p. 682-684

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抄録
48Ti, 51Vの(α, n)反応の断面積をEα=31 MeVまでStacked foil法を使った放射化法で測った。
これらの反応は51Crおよび54Mnの無担体放射性同位元素の製造に対しても考慮さるべき経路の1つであろう。照射には核研160cmサイクロトロンを使用し,ビームの強さはファラデー・カップを用いて測った。Ti-ターゲットとしては約1.8mg/cm2の金属箔を, V-ターゲットとしてはAl箔の上にV2O5を少量のクリヤー・ラッカーと共に吹きつけたものを用いた。照射後短寿命放射能を崩壊させてのち, 51Crの325keV-γ線, 54Mnの840keV-γ線を1 3/4;×2in.の井戸型シンチレータで測定した。放射能の絶対値はγ線の光電ピークの計算値に325, 840keVのγ線に対してのそれぞれの効率0.4, 0.085を用いて求めた。得られた反応断面積の結果は48Ti(α, n)51Cr反応ではEα=14MeVで約700mbの,51V(α, n)54Mn反応ではEα=14MeVで約559mbの最大値を示した。
この結果を製造に便利なようにthick-target yield(厚いターゲットによる反応収率)に換算すると
48Ti(α, n)51Crに対しては21.5μc/μA⋅hr
51V(α, n)54Mnに対しては2.54μc/μA⋅hr
となった。
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