日本原子力学会誌
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IAEAにおける高速炉心耐震解析国際共同研究の成果
森下 正樹伊藤 邦博小林 嗣幸堀内 敏彦
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1996 年 38 巻 3 号 p. 205-210

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抄録

高速炉炉心の耐震設計・安全評価に当たっては,地震時の制御棒挿入性や炉心構成要素の健全性が重要な評価項目となるが,これらを評価するうえで炉心の群振動挙動を精度よく予測する解析技術が必要不可欠である。このような解析は非常に大規模な自由度を有する体系の非線形応答問題となるので,日・仏をはじめ高速炉開発の諸国では振動実験による検証を行いながら精力的にコード開発を進めてきた。IAEA/IWGFRの主催による今回の国際共同研究「高速炉耐震解析コードの相互比較に関する共同研究(Coordinated Research Program on Inter-comparison of LMFBR Seismic Analysis Codes)」は,炉心の耐震解析の重要性についての各国の共通した認識を背景に企画されたもので,参加国が所有する実験データを提供し合って炉心耐震解析コードのベンチマーク解析を実施し,結果の相互比較を通じて自国のコードの検証や改良に役立てることを目的として行われた。
本稿では1991年に開始され,1995年5月に完了した共同研究について,その活動と成果を概括して述べる。

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