日本原子力学会誌
Online ISSN : 2186-5256
Print ISSN : 0004-7120
ISSN-L : 0004-7120
燃料電池発電技術の現状と展望
大塚 馨象
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 42 巻 9 号 p. 868-877

詳細
抄録

燃料電池は,水素と酸素を連続的に供給することによって,連続的に直流電力を発生する発電装置であり,水の電気分解の逆の反応を利用したものとして知られ,世界的に開発が行われている。燃料電池の開発の歴史は古く,英国のグローブ卿が発明した1839年にさかのぼるが,最初に実用に供されたのは1965年の宇宙船ジェミニであった。
近年,化石資源の枯渇や環境問題から,電源の多様化への対応がせまられている。燃料電池発電技術は,高い発電効率,燃料の多様性への対応,環境調和性に優れていること等から,新エネルギーの一つとして,特に,分散電源用や自動車用として注目されている。本稿では,固体高分子形(PEFC),リン酸形(PAFC),溶融炭酸塩形(MCFC)および固体酸化物形(SOFC)の燃料電池を用いた発電システムについて,現状と課題などを簡単に解説する。

著者関連情報
© by the Atomic Energy Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top