日本原子力学会誌
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特集
軽水炉高燃焼度燃料の照射ふるまい
佃 由晃上村 勝一郎河野 範夫服部 年逸伊藤 邦雄茂住 泰寛
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2003 年 45 巻 11 号 p. 682-710

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抄録

 本特集は, 財団法人原子力発電技術機構 (NUPEC) が国のプロジェクトとして1986年度より2001年度までの16年問にわたって行ってきた高燃焼度燃料の照射確証試験が終了したのを期して, 照射ふるまいを中心に, 高燃焼度化の経緯, 現状, 課題について整理・検討した結果を解説的に述べたものである。本プロジェクトでは, 製造データの採取から始まり原子炉での長期間照射を経て低燃焼度から高燃焼度に至る各段階で取り出した燃焼済み燃料の破壊および非破壊試験を行い, 試験炉での過渡時を模擬した出力急昇試験も含め, 燃料の照射ふるまいに係る幅広く詳細なデータベースを整備・蓄積してきた。このような大規模かつ系統的に行われた試験は世界的にも例がなく, 今後の高燃焼度燃料の安全性, 信頼性を評価する際の基礎となる貴重な成果を得ることができた。その中から燃料以外の専門の方にも興味を持っていただけると考える点に絞って, 高燃焼度燃料の照射ふるまいの世界を紹介する。

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© 2003 一般社団法人 日本原子力学会
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