日本原子力学会誌ATOMOΣ
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ATOMOΣ Special
世界の原子力事情(9) アジア編
中国の原子力発電の概要―目覚しい発展を続ける原子力開発
中山 元
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2010 年 52 巻 9 号 p. 568-572

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抄録

 中国で最初の原子力発電所は1994年に運転開始され,現在,6発電所,総設備容量908万kWが稼動している。2002年から顕在化した電力不足を受けて,2003年に国は原子力の開発方針を「適度」から「積極的」に変更した。「2020年に,全発電設備容量の4%,4,000万kWを原子力にする」というのが今の目標である。このため,各地で原子力発電所の計画地点が目白押しである。現在,具体化している計画は東部沿海部がほとんどであるが,海に面してない内陸部にも計画の動きが見られる。将来の電源開発は省エネ・環境の観点から原子力と再生可能エネルギーに重点が置かれ,原子力について2020年の開発目標が7,000~8,000万kWに上方修正される動きがある。発電所の開発とともに,原子燃料のリサイクルについても積極的に取り組まれている。以下に,中国のこれまでの経緯と原子力開発の近況を概観する。

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© 2010 一般社団法人 日本原子力学会
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