日本原子力学会誌ATOMOΣ
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新会長あいさつ
巻頭言
時論
特集 1F事故-15年目の総括Ⅵ
特集
  • 炉内状況把握と事故進展理解の深化
    山路 哲史
    2026 年68 巻9 号 p. 579-583
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     本解説には東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故から15年間の1Fの廃炉に伴う1・2・3号機の炉内状況把握と事故進展理解の深化及び解析研究の進展を以下の3つの時期に分けてまとめた。事故原因及び事故進展の理解に注力された時期(2011〜2015年頃);廃炉に向けた研究開発課題の明確化と2・3号機の内部調査が進展した時期(2015〜2023年頃);1号機の内部調査の進展とKnowledge Managementの必要性が顕在化し始めた時期(2023年頃以降〜現在)。2014年までに整備された1F事故進展解析のための重要度ランクテーブル(PIRT)は,その後の炉内状況把握と事故進展理解の深化を反映するために現在,学会の廃炉検討委員会に設置された1F事故探求分科会のPIRT作成ワーキンググループがその更新に取り組んでいる。

  • 廃炉作業における放射線防護の実務とその考え方
    金濱 秀昭
    2026 年68 巻9 号 p. 584-587
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     福島第一原子力発電所の廃炉作業の放射線防護は,緊急時対応から持続的な最適化の段階へと移行してきた。本稿では,線源分布の変化に対応した外部被ばく低減,α核種を中心とする内部被ばく管理の高度化,汚染拡大防止策の体系的整備について,現場で得られた知見と定量的成果を整理する。遠隔化・遮蔽・可視化を柱とする防護技術は作業安全性向上に有効であり,今後の燃料デブリ取り出し工程における放射線防護の方向性を示す。

  • 高線量環境下における遠隔化・遮へい・作業訓練を組み合わせた被ばく低減実践事例
    大内 勉
    2026 年68 巻9 号 p. 588-591
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     福島第一原子力発電所1, 2号機の排気筒周辺に敷設されている非常用ガス処理系(SGTS)配管は,事故時の原子炉格納容器(PCV)ベントに起因する高い放射性汚染が確認されており,燃料取り出し関連工事への干渉や構内作業者の被ばく低減の観点から,段階的な撤去が進められている。今後予定されている排気筒周辺SGTS配管の撤去工事に先立ち,配管切断時に発生する放射性ダスト飛散の影響評価を目的として,切断計画位置における配管線量調査を実施した。

     本線量調査は,最大で数百mSv/hに達する高線量環境下での作業であり,作業者被ばくの最小化が重要な課題であった。このため,遠隔施工化,遮へい設置,既設遮へいの有効活用,作業トレーニングといった複数の被ばく低減対策を組み合わせ,作業の各段階に適用した。その結果,作業全体で約72人・mSvの被ばく低減を達成した。

     本稿では,SGTS配管線量調査の概要とともに,実作業において適用した被ばく低減対策の具体的内容と,その効果について紹介する。

  • 大柿 和行
    2026 年68 巻9 号 p. 592-594
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     福島第一原子力発電所2号機における使用済燃料プール(SFP)スキマサージタンク水位低下事象を契機として,FPC(Fuel Pool Cooling)系統の健全性確保と冷却機能回復のためにFPCバイパスライン設置工事を実施した。本工事は2.0〜10 mSv/hの高線量当量率環境下で行われ,短期間での竣工が求められたことから,遠隔化,工法改善,アクセスルート最適化,低線量当量率エリアの活用,モックアップ訓練等,ALARA(合理的に達成可能な限り低く)原則に基づいた複合的で実現可能な被ばく低減対策を検討・実行した。その結果,総線量は計画686.38人・mSvに対し実績490.66人・mSvと約195.72人・mSvの低減を達成し,線量最適化が実現された。

  • 線源・線量率3Dマップの作成と仮想空間でのその活用
    町田 昌彦, 松本 陽司, 古立 直也, 一場 雄太
    2026 年68 巻9 号 p. 595-599
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     東京電力(東電)・福島第一原子力発電所(1F)の廃炉に向け最も重要な課題の一つは,廃炉作業者の被ばく低減である。その課題解決に当たり,被ばく量を推定可能とする建屋内の線源・線量率の3次元(3D)マップが必須となる。3Dマップができれば,被ばく低減に向け,さまざまな線源対策シミュレーションも可能となる。本稿では,3Dマップ作成及びその活用技術を紹介する。

  • 中根 達矢, 大野 雅子, 百瀬 琢麿, 鈴木 優太, 野村 匡芳, 金濱 秀昭
    2026 年68 巻9 号 p. 600-602
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     福島第一原子力発電所(1F)で創傷汚染による内部被ばくが発生した場合の放射線管理上の初動対応においては,創傷部除染後の創傷中に残留する放射能量の評価を行うこととしている。創傷中のα核種の放射能量を測定するにあたり,肺モニタに使用されている高純度Geγ検出器を用いてAm-241を測定する方法を検討し,PHITSにより創傷形状別の計数効率を評価した。その結果,一例として深さが10 mmの腕の刺創の場合は,Am-241の59.5 keVに対し計数効率は0.086,検出下限値は0.83Bqであった。

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