日本原子力学会誌ATOMOΣ
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Print ISSN : 1882-2606
解説
集光型太陽熱発電(CSP)の技術と市場
吉田 一雄
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2012 年 54 巻 12 号 p. 810-814

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抄録

 集光型太陽熱発電(CSP)は,反射鏡で集光した太陽光をレシーバで熱へと変換し,一般には蒸気タービンを回して発電する技術である。本システムでは,蓄熱システムやボイラを組み合わせることにより,太陽が照っていない時間帯にも比較的低コストの発電が可能である。したがって,CSPは,電力需要曲線に合わせた電力供給が可能であり,ディスパッチャビリティが高い発電システムである。CSPでは太陽から直接地表に到達する直達光のみ利用できることから,中東・北アフリカ,米国南西部などサンベルトと呼ばれる地域で高効率の発電が可能であり,発電ポテンシャルも膨大である。CSPで得た電力を離れた地域で利用するため,北アフリカで発電した電力を高圧直流送電でEU諸国に送るデザーテック計画も進行している。

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© 2012 一般社団法人 日本原子力学会
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