2012 年 54 巻 2 号 p. 97-100
東日本大震災と福島原発事故は,日本の近現代史にとって第三の転換期となる。これを機に「ベストミックス」から「持続可能なエネルギー」へと大きな方向性を転換し,経済合理性,民主主義,そして正義や倫理を反映したエネルギー政策に転換することが望まれる。持続可能なエネルギーではない原子力は縮小・廃止を目指し,その道のりは市場と民主主義に委ねるべきだろう。環境ディスコースなき日本の知と政治の退廃という現実から出発し,私たち国民自らの手で,まともな環境エネルギー政策に改革すべきときだろう。