2013 年 55 巻 10 号 p. 546-556
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震を起因とする地震動と津波は,福島第一原子力発電所だけでなく,福島第二,女川,東海第二の発電所も襲った。発電所間で地震動強さと津波高さには差異があったが,福島第一の1〜3号機で炉心が溶融するシビアアクシデントが起きた一方で,福島第一の5号機,6号機と他の発電所の原子炉ではシビアアクシデントを防止できた。福島第一の各号機の状況については特集の第2報で記述してあるので,本報では,福島第一以外の3つの発電所がどのような影響を受けたかを記述する。設備レベル,プラントレベルでの影響の違いを比較分析し,その上で,シビアアクシデントの発生防止にとって何が重要かを考察する。