2016 年 58 巻 6 号 p. 362-366
日本原子力研究開発機構(原子力機構)では, 福島第一原子力発電所(福島第一原発)から80km圏内を対象に,空間線量率の分布状況変化モデルを開発している。膨大な空間線量率測定データを用いて避難指示区域内外の地域特性に応じたモデルパラメータを導出し,福島第一原発事故30年後までの空間線量率分布の経時変化を推定するとともにモデルの不確かさ解析および妥当性検証を行った。本稿では,空間線量率の分布状況変化モデルとそのモデルパラメータの特徴,モデルを用いて作図した空間線量率分布の将来予測図を紹介する。