2018 年 60 巻 1 号 p. 1-4
「科学技術立国をめざしてきた日本の技術が,2005年を節目に凋落し始めている。大学進学率の上昇によって政府のサポートが十分にいきわたらなくなり,科学技術を推進する学と官とのスクラム体制も弱体化した」――東大総長,文部大臣,科学技術庁長官を務めた有馬氏は,今の日本の科学技術の水準の低下をこう憂える。そのための処方箋として同氏は,エネルギーや科学技術を進めていく司令塔を作ることと,科学技術推進のために予算措置を含めた高等教育の強化を訴える。また,原子力界に対しては未来を見据えた視点で将来を切り開いてほしいと述べた。