日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
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解説
福島第一原発事故は従前の津波対策で予防できたか
事故以前の想定津波高さ評価と東電の対応の考察
吉田 至孝宮野 廣
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2018 年 60 巻 1 号 p. 15-19

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抄録

 東京電力福島第一原子力発電所の津波対策が不十分であったことが指摘され,裁判でその責任の有無が争われている。本検討では,裁判の中での議論には関与せず,純学術的観点から主に4事故調(国会,政府,民間,東電)報告書の内容を精査し,わが国および東電の津波対応に関する事実関係をまとめ,考察した。加えて,話題となっている国土庁と気象協会が作成した津波浸水予測図,津波高さ15.7mの試算とその予防効果,地震本部の長期評価などについても検討するとともに,得られた知見を紹介する。

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© 2018 一般社団法人 日本原子力学会
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