日本原子力学会誌ATOMOΣ
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Print ISSN : 1882-2606
サイエンスよみもの
超微量分析より見えた超新星爆発からの飛来物
木下 哲一
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2018 年 60 巻 10 号 p. 624-628

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抄録

 太陽系外での天体物理研究において,従来の光学観測のみならず,爆発的現象に由来するニュートリノや重力波が検出されたのと同様に,地球上より超新星爆発からの飛来物を検出すれば,太陽系近傍での超新星爆発活動,爆発的環境の中での核反応や元素合成の理解,地球環境への影響に関する知見を深めることができる。海底より採取された試料より過去1,000万年の間に2回の60Feの流入が検出され,この流入は超新星爆発の中で生成したものが地球上に飛来したことを示された。地球上より検出された60Feと超新星爆発の地球への影響に関する研究成果について紹介する。

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© 2018 一般社団法人 日本原子力学会
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