2020 年 62 巻 1 号 p. 47-48
EUは温室効果ガス排出量の削減に熱心であり,パリ協定発効後は長期戦略として,2050年ネットゼロ(炭素排出正味ゼロ)実現に向けて,世界をリードしている。こうしたなか,欧州の原子力産業団体であるFORATOM(欧州原子力産業協会)は,ポジション・ペーパー(政策方針書)を相次いで発表し,持続可能で低炭素な未来社会実現のためには,原子力発電の価値が発揮されるべきとの主張を積極的に展開している。とりわけ,このうちの2つのポジション・ペーパーでは,2050年に向けて,原子力シェア1/4の維持と運転期間の長期化が鍵になると強調している。