2020 年 62 巻 5 号 p. 259-262
kW級CW(連続波)レーザー光の高速スキャンによる,廃止措置の放射能除染技術(レーザー除染)の研究開発を紹介する。本レーザー技術は,橋梁などの塗り替え工事における劣化塗膜やさびの除去を行うレーザークリーニング技術が元になっており,最初にその背景と内容を概観する。その除染への応用として鋼材の表層除去を想定した基礎実験をはじめ,発生粉塵の粒径把握やその回収手段の構築について紹介する。浜岡原子力発電所内に保管されていた廃棄物より得た試験片に対するホット試験も最近実施しており,レーザー技術の進展とともにクリアランス向けのレーザー除染の可能性が高まってきている。