2020 年 62 巻 5 号 p. 268-271
レーザー法による切断技術は,制御性が高くロボットアームを用いた遠隔技術との整合性が高いなど利点が多く,原子力施設の廃止措置へ適用されるならば,有望な選択肢となりうると期待されている。しかし,原子炉圧力容器のような厚板鋼材への適用は従来容易ではなかった。本解説では,このような厚板鋼材のレーザー法による切断技術開発の最新成果として,板厚300mm鋼材や模擬圧力容器の切断実証,厚板鋼材切断条件の解析,切断過程観察,遠隔切断システム,重ね切断,ヒューム対策などについて紹介する。