2021 年 63 巻 10 号 p. 708-712
レジリエンスエンジニアリングに基づく安全マネジメントとして,はじめにレジリエンスの基本的4能力とされる対処,監視,学習,予見を高めるための施策を解説する。次に,安全マネジメントの現状がマニュアル主義に陥り,ヒューマンエラー対策の悪循環を生んでいることを指摘した上で,システムのレジリエンスを高めるためにはセーフティIIを目指す安全マネジメントが必要であることを説明する。その実践例として,「うまくいっていることから学ぶ」取り組み,チームで対処する力を高める取り組み,現場第一線が自律的に動く能力を高める研修などを紹介する。