日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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特集1
甲状腺未分化癌の病理像
亀山 香織
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2013 年 30 巻 3 号 p. 164-167

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抄録
甲状腺未分化癌では穿刺吸引細胞診での診断確定で治療が開始されることが多く,その細胞像を熟知しておくことが重要である。すなわち,壊死や好中球を背景に,異型の著明な細胞が集塊・あるいは散在性に観察される。細胞形態は様々で,扁平上皮への分化が窺われるものもある。組織像では,紡錘形細胞の目立つタイプ,巨細胞の目立つタイプ,扁平上皮への分化が目立つタイプなどに分類される。いずれも核異型は顕著で,クロマチンは濃染し,異常核分裂像が多数認められる。分化癌(乳頭癌,濾胞癌)と未分化癌が共存する例があるが,これは分化癌の未分化転化と考えられている。鑑別疾患としては第一に平滑筋肉腫をはじめとする肉腫があり,免疫染色が必要となる。
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