日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Print ISSN : 2186-9545
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編集委員会
特集1
特集2
  • 伊藤 康弘
    2022 年 39 巻 3 号 p. 177
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/29
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  • 伊藤 康弘, 宮内 昭, 赤水 尚史
    2022 年 39 巻 3 号 p. 178-183
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/29
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    本項では,乳頭癌の術前術中に評価する予後因子について述べる。中でも年齢は大きな予後因子であり,若年者は再発をきたしやすく,高齢者は再発および癌死をきたしやすい。日本内分泌外科学会編の「甲状腺腫瘍診療ガイドライン」では,乳頭癌を超低リスク,低リスク,中リスク,高リスクに分類している。これに55歳という年齢のカットオフ値を設けて解析すると,超低/低リスクは年齢に関係なく予後良好である反面,中および高リスクは高齢者の方が予後不良であった。超低/低リスク症例に対しては,広範囲な手術や放射性ヨウ素治療は勧められない。一方で生命予後が良好である若年者の症例でも遠隔再発の可能性が見込まれる場合は,将来的に放射性ヨウ素治療を行うことを見越して治療に当たるべきである。また,高齢者の高リスク症例の治療方針は,全身状態やperformance statusなどを見極めながら個別に決定していくのが妥当と考えられる。

  • 千葉 知宏
    2022 年 39 巻 3 号 p. 184-189
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/29
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    甲状腺分化癌の手術適応は,多くの場合,画像所見と細胞診によって判断されることから,手術検体の病理診断は,診断の確定および治療方針の決定にとりわけ重要である。乳頭癌,濾胞癌のいずれにおいても組織型と病期を評価することが基本となるが,副所見の中にも予後との相関が報告されている事項がある。本稿では術後病理診断のポイントと形態学的ないし免疫組織学的な予後因子を概説する。

  • 光武 範吏
    2022 年 39 巻 3 号 p. 190-193
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/29
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    多くの甲状腺分化癌の予後は良好とされるが,少数の症例は再発・転移をきたし,さらに放射性ヨウ素治療,分子標的薬にも耐性となり,治療に難渋するものがある。本稿では分子生物学的予後因子として,遺伝子変異,とくに腫瘍の発症・進展に重要とされるドライバー変異について解説する。乳頭癌において,欧米を中心としてBRAF変異が癌の悪性度・予後と関連するという多くの報告があるが,我が国ではこれは否定的である。なぜこのような違いがあるのかについては良く分かっていない。濾胞癌では,RAS変異が悪性度・予後と相関するという報告がある。年齢と非常に強い相関があり,主に高齢者にみられるTERTプロモーター変異は,乳頭癌,濾胞癌,いずれも悪性度・予後と強い相関を示し,現時点で最も強力で有用な分子マーカーである。

  • 宮内 昭, 伊藤 康弘
    2022 年 39 巻 3 号 p. 194-198
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/29
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    甲状腺分化癌の予後因子には術前,術中,術後に分かる多数の予後因子があり,これらはいずれもその時点における最適の疾病管理のために重要である。しかし,これらの因子はいずれもある時点における腫瘍の状態や患者の状態を示す静的な因子である。甲状腺髄様癌における血中カルシトニン値,甲状腺乳頭癌における血中サイログロブリン値およびその変動は一般的には術後に判明するものであるが,これらの継時的変動から求められるカルシトニン・ダブリングタイム,サイログロブリン・ダブリングタイムは上記の静的予後因子よりはるかに強力な動的予後因子である。さらに,この考え方を利用すると個々の患者の予後を数量的に予測することもできる。癌診療における必須のツールである。

原著
  • 大石 一行, 吉本 皓一, 澁谷 祐一
    2022 年 39 巻 3 号 p. 199-204
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/29
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    当院では,2019年12月から保険診療によるがんゲノムプロファイリング検査(CGP)を開始し,甲状腺癌に対しては,2022年4月までに11例に検査を施行した。組織型は乳頭癌8例,濾胞癌2例,円柱細胞癌1例で,治療歴は放射性ヨウ素内用療法(RAI)+Lenvatinib 8例,RAI skip+Lenvatinib 2例,RAI+Lenvatinib+Sorafenib 1例であった。全例で解析は完遂され,治療標的となる可能性のある遺伝子変異の検出率は73%(8/11),エキスパートパネル後の治療到達率は27%(3/11)であった。RET融合遺伝子陽性に対してSelpercatinib投与を2例に,BRAFV600E変異に対してEncorafenib+Binimetinib投与を1例に行った。甲状腺癌は他癌よりも治療到達率が高いため,CGPにより治療選択肢が拡がる可能性が期待される。

  • 戸田 宗治, 松井 愛唯, 髙橋 有佳里, 村山 大輔, 廣島 幸彦, 岩崎 博幸
    2022 年 39 巻 3 号 p. 205-209
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/29
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    2019年6月がんゲノムプロファイリング検査が保険承認された。当院で行った甲状腺癌の検査状況について報告する。対象はがんゲノムプロファイリング検査を施行した進行甲状腺癌の16症例とし,診療録を用いた後方視的検討を行った。

    15例でFoundation Oneを,1例でFoundation One Liquidを用い,組織型は未分化癌8例,乳頭癌6例,濾胞癌,低分化癌が1例ずつだった。コンパニオン診断として認められているMSI highやNTRK融合遺伝子は検出されなかった。BRAF変異が最も多く検出され,乳頭癌,低分化癌の全例と未分化癌の37.5%で認めた。14例で治療薬の候補を認めたが,検査結果が出るまでに全身状態の悪化や死亡する症例が4例あり,実際に治療薬の投与に結びついたのは2症例であった。甲状腺癌では治療薬の候補を認めることが多いため,がんゲノムプロファイリング検査のよい適応と考えられるが,現状では治療のアクセスに制約がある。

症例報告
  • 松岡 欣也, 佐川 庸, 畑地 登志子, 宮崎 一恵, 前田 智治, 杉田 敦郎, 木藤 克己
    2022 年 39 巻 3 号 p. 210-214
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/29
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    レンバチニブは切除不能な甲状腺癌に対して国際第Ⅲ相臨床試験でプラセボ群と比較して有意にPFSを延長させたが有害事象として気胸や局所の出血などに注意が必要である。今回われわれは巨大な病変を含む多発肺転移を有する甲状腺乳頭癌に対して,巨大病変を切除後にレンバチニブを投与して安全に良好な治療効果を得ている1例を経験したので報告する。症例は65歳,女性。初診時,甲状腺癌T3b(Ex1)N1bM1(PUL),StageⅣB,右肺下葉には40mmの肺転移と両葉に多数の小転移巣あり。甲状腺全摘,頸部郭清後に100mCiの放射性ヨウ素を投与したが肺転移には集積なし。その後は無治療で2年間経過観察。肺転移巣の巨大病変,その他の小結節は徐々に増大したためレンバチニブの投与を考慮した。巨大病変は出血や膿瘍形成のリスクが高いと判断して右肺下葉切除をおこなった。その後,レンバチニブを投与し安全で良好な経過を得た。

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