日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Print ISSN : 2186-9545
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目次
編集委員会
特集1
  • 杉谷 巌
    2019 年 36 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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  • 小島原 典子
    2019 年 36 巻 1 号 p. 2-7
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    「診療ガイドライン作成の手引き2014」を参照して作成して「甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版」が完成した。本稿では,益と害のアウトカムに注目して本ガイドラインの作成方法について概説する。

    臨床上の重要課題を,疫学,診断・非手術的管理,組織型別治療方針,放射線治療,分化癌進行例,術後治療,分子標的薬治療の領域に分け,44のCQ を益と害の両方を考慮して選定した。初版以降2014 年2月までPubMed,医中誌 WEB,およびCochrane Libraryを検索し,最終的に採用された論文はについてエビデンスの内的・外的妥当性を吟味し,「強く推奨する」,「弱く推奨する」と推奨を提示した。

    今後,本ガイドラインの普及による診療の標準化と甲状腺腫瘍患者の健康アウトカムの評価が計画されており,作成グループは作業を継続して普及啓発を促進することが望ましいと考える。

  • 岡本 高宏, 小野田 尚佳, 伊藤 康弘
    2019 年 36 巻 1 号 p. 8-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    甲状腺腫瘍診療ガイドラインを改訂した。甲状腺腫瘍に悩む患者の健康アウトカムを高めるには知識,技術の向上と心の涵養が不可欠である。エビデンスの創出,診療ガイドライン開発法の工夫に終わりはない。専門職による不断の貢献が未来を拓く。

  • 伊藤 康弘, 宮内 昭
    2019 年 36 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    今回8年ぶりに甲状腺腫瘍診療ガイドラインが改訂となった。今回のガイドラインの大きな改訂点は1)乳頭癌のリスク分類を提言したこと,2)放射性ヨウ素内用療法の分類を明確にしたこと,そして3)分子標的薬剤に関する記述を追加したことの三点である。当院の症例を解析したところ,リスク分類はかなり鋭敏に予後を反映した。そこへ年齢を加えると,さらに興味深い結果が得られた。2)については従来アブレーションと呼ばれていたものを残存濾胞細胞の廃絶を目的としたアブレーションと,画像診断では確認できないが顕微鏡的な転移が存在すると考えられる症例に対する補助療法の二つに分けたことが大きな改訂である。3)についてはまったく新しい知見であり,甲状腺癌治療の新しい手段であるが,その適応とタイミングに関しては症例ごとに十分吟味しなくてはならない。

  • 今井 常夫
    2019 年 36 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版が発行された。初版から8年ぶりの改訂で,作成委員長はじめ委員の考えがよく反映された内容と考えられた。乳頭癌では,リスク分類で1cm以下の腫瘍が超低リスクとして加えられ,非手術経過観察が推奨された。本邦のみのエビデンスを根拠に世界に先駆けてガイドラインに明記されたことは大変意義深い。未分化癌では,初版後に集積された知見からフローチャート・内容が大幅に改訂された。採用されたエビデンスの多くが本邦から発信されたもので,稀少で難治である未分化癌に対するAll Japanの成果をあらわしており,今後もさらに進化する分野であると思う。濾胞癌において微少浸潤型で危険因子がある場合に補完全摘も考慮してよいと改訂されたのは本邦からのエビデンスが根拠になった。髄様癌,放射線治療においても新たなCQや概念が解説され,分子標的薬治療は2018年版から追加された。初版同様,世界から注目される内容のガイドラインになったと思う。

  • 小野田 尚佳, 伊藤 康弘, 岡本 高宏
    2019 年 36 巻 1 号 p. 24-27
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版では,乳頭癌に対してリスク分類や進行度,予後因子に応じた標準的対処を求めており影響を注視したい。他方,中リスク乳頭癌・低分化癌・未分化癌へ対処,気管合併切除など拡大手術の意義,分子標的薬治療の予後改善効果については,さらなるエビデンス蓄積が待たれる。髄様癌の遺伝子診療,予防的手術には,様々な角度からの議論が欠かせず,RI療法の分類に則した成績の提示も必要である。ガイドライン公開後も英文論文作成,随時の更新が行われ,治療標準化や患者の健康アウトカムについての調査が開始されるが,加えて3年後の次期改訂に向けて新規CQをリストアップし,解決のための研究奨励などを着実に行うよう提案したい。さらに,他学会との連携,汎用性を高める公開法,大規模データベースやAI,SNSの活用,女性委員と患者の参画などの検討が必要と考えられる。

特集2
  • 中川 健
    2019 年 36 巻 1 号 p. 28
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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  • 井上 省吾
    2019 年 36 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    単孔式腹腔鏡下副腎摘除術(LESS-A)の最大の利点は,整容性と満足度が優れている点であるが,患者からの主観的な評価がほとんどなされていないのが現状である。非患者による手術アプローチの嗜好調査では,女性および若年者で有意に臍アプローチを希望しており,整容性に高い関心を示していることを報告した。さらに,整容性,満足度および創部痛に関して,臍および上腹部アプローチのLESS-Aと,対照として従来法の3群間で,術後1,3,6,9,12カ月目に自己記入式質問票を郵送し縦断的に調査した。術後3カ月で,従来法は有意に満足度が低かったが,術後6カ月から,従来法の満足度は上昇するも,一方で上腹部LESS-Aでは低下した。術後9カ月以後は,上腹部LESS-Aは満足度がさらに低下し,従来法と比較し満足度は有意に低値を示した。LESS-Aを行う場合,満足度の点から臍アプローチは必須であると考えられた。

  • 松本 一宏, 武田 利和
    2019 年 36 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    腹腔鏡下副腎摘除術は,副腎腫瘍に対するゴールド・スタンダードな術式として既に定着している。近年,腹腔鏡手術のさらなる進化を求め,単孔式腹腔鏡手術(Laparoendoscopic single-site surgery:LESS surgery)への関心が高まっている。摘出臓器の大きさとしては,臍に留置したsingle portから傷の延長なく摘出可能な副腎は,腹壁へのダメージをより少なくできる単孔式腹腔鏡手術の非常に良い適応であると考えられる。しかしその手術難易度が,副腎に対する単孔式腹腔鏡手術普及の足かせとなっている。本稿では手術難易度を下げる術前および術中の工夫として,①適切な症例の選択,②適切な手術器具の選択,および③単孔式手術習得に必要なテクニックについてそれぞれ述べていきたい。

  • 秦 聡孝, 佐藤 文憲, 三股 浩光
    2019 年 36 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    副腎腫瘍はLESS(Laparoendoscopic single-site surgery)あるいはRPS(Reduced port surgery)の良い適応とされるが,いわゆるpure LESSは手技的な難易度が高く,広く一般化するには至っていない。一方,RPSは良好なtriangulationのもと,従来の腹腔鏡手術に近い操作性を有し,整容性や手術侵襲の点でもpure LESSに匹敵することから,広く普及可能な術式として期待される。当科では,副腎腫瘍に対する低侵襲手術として,症例や術者の状況に応じて,pure LESSに固執することなく,柔軟にRPSを導入してきた。本稿では,若干の文献的考察とともに,当院の副腎腫瘍に対するLESSおよびRPSのこれまでの取り組みを振り返る。

症例報告
  • 滝口 進也, 上原 咲恵子, 石田 寛明, 中村 道郎
    2019 年 36 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    原発性副甲状腺機能亢進症(pHPT)と腎原性続発性副甲状腺機能亢進症(sHPT)が合併することは比較的稀で報告も少ない。症例は67歳男性。65歳より血液透析(HD)導入。HD導入時より内科的治療抵抗性で,多発関節痛等の臨床症状も出現し,手術適応となった。骨代謝マーカー著明高値。超音波検査では2腺の副甲状腺腫大を指摘。副甲状腺全摘術(PTx)+自家移植術を施行。病理学的診断では腺腫,過形成腺,正常副甲状腺を認めた。本症例はシナカルセト内服にも関わらず,HD導入後短期間でPTxの適応に至っており,HD導入時にpHPTを合併していたと考えられる。腺腫と診断された副甲状腺は2年の経過で増大傾向であり,過形成腺と共にシナカルセト抵抗性であった。pHPTの治療の第一選択は手術加療であることを再確認した。摘出腺に正常副甲状腺を認めたのは早期からシナカルセトが投与された影響で,過形成化が抑制された可能性が示唆された。

  • 都築 伸佳, 川﨑 泰士, 和佐野 浩一郎
    2019 年 36 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
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    術前に反回神経麻痺を認める甲状腺疾患は,悪性腫瘍がその大部分を占め,甲状腺良性疾患が原因であることは稀である。巨大甲状腺良性腫瘍による神経圧迫により反回神経麻痺をきたしたと推定された症例を経験したので報告する。症例は60歳代の女性。数年前からの軽度の嗄声と左頸部に巨大囊胞性甲状腺腫瘍を認め,喉頭内視鏡検査で喉頭斜位と左声帯麻痺(完全麻痺,傍正中位固定)を認めた。甲状腺全摘術を施行。左気管食道溝に左反回神経を同定し温存。神経刺激により挿管チューブ電極から反応を認めた。病理診断は腺腫様甲状腺腫であった。術後,喉頭斜位が改善すると共に左声帯固定位置は正中位へと変化した。腫瘍圧迫により損傷を受けていた神経軸索が再生する過程で起こった過誤支配が,長い経過の中ですでに完成していたと考えられ,反回神経麻痺の原因が良性腫瘍による圧迫であっても,改善傾向を認めない場合は早期の手術を検討すべきであると思われた。

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