2017 年 34 巻 1 号 p. 17-22
穿刺吸引細胞診は,甲状腺腫瘍の診断に欠くことができない検査である。しかし,その手技や検体処理の仕方によっては,検体不適正率が上がり穿刺吸引細胞診を再検する必要が出てくる。穿刺吸引細胞診では十分な量の細胞を採取し,迅速・的確に適正な標本を作製する必要がある。
重要なことは,すべてUSガイド下に診断に適した部位から選択的に細胞を採取すること,細胞診成績を左右するので,検体処理を速やかに固定まで丁寧に行うことである。
穿刺吸引細胞診の適応と当院で施行しているUS guided FNAの手技とそのコツを述べた。また,通常の塗抹標本以外にLBCやメンブレンフィルターを用いる検体処理の工夫をすることによって,検体不適正率は減少する。