日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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特集2
「特集2.内分泌臓器・腫瘍に対するロボット支援手術の国内外の現況と展望」によせて
羽渕 友則
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2022 年 39 巻 1 号 p. 28

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前立腺癌に対するロボット支援手術が保険承認されて約10年になる。米国などから比較すると日本は遅れて導入されたが,この10年で前立腺全摘除に関してはロボット支援手術が開放手術や従来の腹腔鏡手術を完全に凌駕したといってよい。

ところが,従来の腹腔鏡手術とロボット支援腹腔鏡手術の成績を比較しても,“数字的には大きな差が無い”,という結果もしばしばみられる。幸運にも3つの術式を経験した小生の感想は,「もう開放手術や従来型腹腔鏡手術には戻れない。明快な解剖学的構造が見ながら,ブレの無い繊細なロボット支援手術の快適さを知った今となっては・・・」である。

外科の世界には数字や明快なエビデンスで表すことのできない「何か」がある。この「何か」によって今やロボット支援手術は多くの手術で従来型の術式を凌駕しつつある。腎や膀胱のロボット支援手術も同様である。

次は内分泌臓器や内分泌腫瘍の番である。内分泌の臓器や腫瘍の中には症例数が少ないものや,エビデンスを数字に表現し難い術式もある。しかし,ロボット支援手術は,明瞭,繊細,快適である。大いに期待したい内分泌臓器や内分泌腫瘍に対するロボット支援手術について,(1)甲状腺,(2)膵,(3)副腎,(4)後腹膜・骨盤腔,の4分野のトピックスを本邦のエキスパートに執筆していただいた。皆様,御自身の専門分野は勿論,専門外の分野に関しても,内分泌臓器・腫瘍に対するロボット支援手術の魅力を読み取っていただければ幸いです。

 

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