抄録
本研究では、地下水流れの向きを決定するために、ボアホール内に設置した熱源周辺の温度変化を、赤外線カメラを用いて直接観察する方法を提案した。モデル実験として、砂を充填したアクリルの箱の中央に、井戸を模した穴の開いた円筒カラムを設置し、その中央に線熱源をおいた。熱源周辺の温度変化は、カラム上部に取り付けられた赤外線カメラを用いて観察した。また実験結果の検証のために、COMSOLを用いて水・熱同時移動シミュレーションを行った。実験結果より、フラックスが10－2から10－4cm s－1であれば、水分移動に伴う熱の移流により、歪んだ温度分布となるため、流れの方向は検知できた。
