地下水学会誌
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地下水流動場の連続的な流向流速測定技術の確立に向けた流体シミュレーション
小林 薫熊谷 幸樹藤間 律子近久 博志
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2009 年 51 巻 4 号 p. 349-360

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抄録

地下水流動は、降水、気圧や周辺の井戸利用状況による時間変動、沿岸域の潮汐による日変動、融雪期の季節変動ならびに建設工事に伴う地下水流動阻害などにより変化している。現地の正確な地下水流動特性を把握するためには、地下水流動に影響を及ぼす前述の各種外的要因の定量的データや地盤の間隙水圧などとともに、連続的な地下水流向流速の変化を同時に把握できれば有効なデータになる。このことから、筆者らは地下水流動場の流向流速を簡易かつ連続的に計測することができる連続式流向流速計の開発を目指した研究開発を実施している。
本論文は、内陸域や沿岸域の建設工事などで必要となる地下水流動場の流向流速を連続的に計測できる下端部ヒンジ構造を有する浮きセンサを搭載した連続式流向流速計の概要について述べる。次に、流体シミュレーションの結果を基に、開発中の連続式流向流速計に適した浮きセンサの断面形状と塩水および淡水中における各適用限界流速について明らかにする。

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© 2009 公益社団法人 日本地下水学会
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