本研究では、地盤中の淡水面や海水面と湖沼の塩分濃度の関係や、海水面、淡水面や湖沼の水位と地盤中の塩淡水境界の関係を室内水槽実験で求めた。その結果、塩水の水位が淡水の水位より低い場合には、塩淡水境界が、沿岸付近の湖沼の下の地盤に形成され、その形状は湖沼の下でフラットな形状となった。一方、塩水の水位が淡水の水位より高い場合には、淡水域は大幅に減少した。また、陸側の淡水は貯留池内に浸入し、貯留池の水が海岸堤防側で地盤中へと浸入した。このことより、沿岸付近の湖沼の塩分濃度の変化を検討する際には湖沼、海水と地盤中の淡水を含むシステムとして検討する必要があることが本研究で分かった。
