フィールドスケールにおける移流分散解析を行う際に重要となるのが巨視的分散長であるが、この値を適切に設定する方法は十分確立されていない。本研究では、齋藤・川谷(2000)によって提案されている自己相似型不均一地盤モデル(f-ζ型モデル)を用いて疑似的な不均一場を発生させ、無次元化された2次元場および3次元場における移流分散解析を行い、そこから同定される平均的な巨視的分散長を用いて、その性質に関する考察を行った。その結果、1次元的な流れ場においては、巨視的分散長は汚染源の大きさと流下距離の2つのスケール、および透水係数のばらつきという地盤の性質に依存することを明らかにし、これらの関係を用いて、簡潔なモデルで巨視的分散長を定量的に評価することが可能であることを示した。