地下水学会誌
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論文
流域スケールにおける反応性窒素移動過程のモデル化と実流域への適用性検討
森 康二田原 康博多田 和広細野 高啓嶋田 純松永 緑登坂 博行
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2016 年 58 巻 1 号 p. 63-86

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抄録

地上・地下連成系をベースとした流域モデリングと反応性窒素移動過程の取扱いを組み合わせた新たなモデル化手法を開発した。開発手法は,流域内の窒素負荷の空間配置と時間的変遷,硝化・脱窒反応の速度論及び反応機構を,地上から地下を一体化した流れの状態変化とともに解析する点に特徴をもつ。本手法を九州地方における実流域(福岡県佐田川扇状地,熊本地域,宮崎県都城盆地)へ適用した結果,それぞれの研究地域の特徴に応じた窒素移動過程のモデル化手法を採用することで,実測された水環境中の窒素濃度をほぼ適切に再現できる見通しが得られ,開発手法の妥当性を確認することができた。

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© 2016 公益社団法人 日本地下水学会
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