2017 年 59 巻 2 号 p. 105-123
本論文では,コアボーリングデータが乏しくなる深度100m付近までを対象に,井戸データベースを用いた地盤情報推定システムにおいて,その基幹となる地質区分の推定手法を示す。地質区分の推定にはインディケータクリギングを用い,各推定点で最大分布確率となる地質区分をグリッド推定することで三次元情報とする。その際,井戸データの探索半径とバリオグラムのレンジの異方性比をパラメータとし,地形分類,地層分類,探索半径に応じたデータ数をカテゴリとする交差検証法にて,地質区分の平均再現率が最大となるパラメータを逐次設定する。豊平川扇状地の例では高い平均再現率を保ったまま,ほぼ全域での地質区分の推定が可能であった。