地下水学会誌
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論文
ライフサイクルコストに基づく地中熱交換器規模の算定と地下水流れがもたらす削減効果の分析
戸建て住宅を例として
阪田 義隆葛 隆生長野 克則
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2018 年 60 巻 4 号 p. 483-494

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抄録

本研究では,戸建て住宅に地中熱ヒートポンプ暖冷房システムを導入する場合にライフサイクルコストを最小とする地中熱交換器長さを算定し,その地下水流れによる削減効果を分析した。気候区分した全国7地域の内,3地域(盛岡市)における削減効果は,ダルシー流速が10 m/yから現れ,そのオーダー変化と相関し,200 m/y以上で有効熱伝導率に関わらず一定値に収束する。また算定結果は各地域の暖冷房熱負荷に強く依存し,地域間で異なる結果となる。本研究で提案するイニシャルコスト目標削減率から,寒冷な1, 2地域に加え,比較的温暖な3, 4地域でもダルシー流速100 m/y以上の場合,従来システムに対して経済的なシステムになることを示した。

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© 2018 公益社団法人 日本地下水学会
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