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地下水学会誌
Vol. 38 (1996) No. 4 p. 331-338

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http://doi.org/10.5917/jagh1987.38.331


1995年1月17日に生じた兵庫県南部地震は.淡路島に大きな被害を及ぼした.同時に.淡路島には多くの湧水が存在するが.ある地域ではほとんどの井戸が洞渇するという現象が発生した.また地震後.地下水・湧水の異常増水によって地たりや土地の冠水などの現象も発生した.地震による地下水への様々な影響は.噴砂現象をはじめとして水量.水質両面で.多様かつ広域に及んでいるものと思われる.そこで.兵庫県南部地震が淡路島の湧水,地下水にいかなる影響を与え.またそれらにどのような変化が生じたかを明らかにし.その原因を究明するために.湧水・地下水の水量.および水質調査を実施した.
淡路島における湧水・地下水で.それぞれ湧出量の増加や減少.地下水位の上昇.低下が観察された.これらは.断層の動きと地震動による地下水ポテンシャルの増加による地下水位の一時的な上昇の結果によるものと考えられる.帯水層の亀裂が生じたような場合には.水位が低下し枯渇する湧水もあった.断層付近の地震動の激しかった地域にある湧水や地下水において無機溶存成分濃度の増加傾向が認められた.これは主に.高濃度の溶存成分濃度を有する深層地下水の混入が原因であると考えられるが.地震動による各成分の溶出量増加や地震動による熱の影響なども考えられる.

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