2008 年 50 巻 1 号 p. 17-24
地下水中のNAPL汚染度を測定するための基礎的研究として,NAPL汚染された飽和砂土の体積熱容量を測定し,その測定値からNAPL含有量を簡易的に推定する方法について検討した.体積熱容量の測定には双極熱パルス法を用いた.体積熱容量の測定値をモデル式に直接代入する方法で求めたNAPL含有率の推定値は,既知のNAPL含有率と体積熱容量の測定値の関係式から求めた値ほど推定精度は良くなかったが,事前にNAPL含有率と体積熱容量の関係式を求めておく必要がないので原位置においてある程度の傾向を把握するのには便利な方法である.また,体積熱容量の測定値と推定値の回帰直線を用いた場合は,NAPL含有率の推定精度は向上した.