老年看護学
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在宅介護における高齢者夫婦のかかわり合いからみた老いの生き方
沖中 由美西田 真寿美
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2014 年 18 巻 2 号 p. 115-122

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抄録
本研究の目的は,在宅で配偶者を介護し介護される高齢者夫婦が,どのようにかかわり合いながら老いを生きているのかを記述することである.方法は,高齢者夫婦5組を対象に半構成的面接を実施し,事例研究法に基づいて,夫婦間の相互作用に注目し,夫婦としての老いの生き方をカテゴリー化した.その結果,高齢者夫婦は,"察知する" "推察する" "気遣う" "認める" "理解に苦慮する"という【夫婦の相互了解性】のもとに, "がんばりに奮起する" "いらだつ" "とまどう" "どうにもならずあきらめる"という【配偶者に合わせた感情や行動の変容】を行いながら, "互いに頼りながら高め合う" "生きる目的や希望を共有する" "とまどいながらも現実を受けとめる" "流れに身を任せる" "ままならなさにもがく"という【夫婦が共に生きるための方略】を探りながら老いを生きていることが明らかになった.この結果を踏まえ,在宅で介護し介護される高齢者夫婦の多様な老いの生き方に応じたケア実践の必要性が示唆された.
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