老年看護学
Online ISSN : 2432-0811
Print ISSN : 1346-9665
最新号
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巻頭言
特集1 「日本老年看護学会第23回学術集会」
特集2 「認知症ケアのトピックス」
原著
  • 河田 萌生
    2019 年 23 巻 2 号 p. 49-58
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

     経鼻胃管の使用率は嚥下機能障害のある入院高齢者で頻度が高いが,経鼻胃管留置中の経口摂取が,経口摂取の喪失に伴う苦痛を緩和し得るかは明らかではない.そこで本研究は,摂食状況別に比較した経口摂取の喪失に伴う苦痛(飲むこと,噛むこと,味わうことができない・食べたいものが食べられない,飲みたいものが飲めない・だれかと話ながら食事をする機会がない・他者の食事がさらされる・口渇)について明らかにした.対象者は都内医療機関3施設の入院高齢者29人で,嚥下機能障害で経鼻胃管留置中の者を適格基準に基づいて選定した.

     非経口摂取群(n=14)と経口摂取群(n=15)で経口摂取の喪失に伴う苦痛の程度に差を認めなかった(p=.27).この苦痛のうち「食べたいものが食べられない・飲みたいものが飲めない」は経口摂取群で苦痛が弱く(p=.04),経口摂取により緩和され得ることが示唆された.経鼻胃管留置日数と経口摂取の喪失に伴う苦痛に負の相関関係を認め(r=-0.46,p=.01),留置日数30日未満の群は30日以上の群より苦痛が強かった(p<.01).経口摂取状況の変化に伴う苦痛への看護ケアは,早期に提供する必要性が示唆された.

資料
  • 菅沼 真由美, 新田 静江, 東福寺 愛実, 谷口 珠実
    2019 年 23 巻 2 号 p. 59-67
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

     本研究は,ケアマネジャー(以下,CM)による要介護高齢者(以下,高齢者)の終末期の医療や生活に対する意思表出支援の方法と心情について明らかにすることを目的とした.高齢者に対して終末期の医療と生活に対する意思表出支援経験のあるCM8人で構成するフォーカス・グループにインタビューを実施して収集した逐語録をデータとし,質的記述的に分析した.その結果,CMは,意思表出支援として【高齢者の状態の推察】【関係性の推察】【高齢者への配慮】をしながら,【支援の理由説明】,本人の【意思の活用】,【状況を設定】と【方向づけ】が抽出された.CMの心情として,【支援への不安】があったが,意思確認により【意義を実感】【必要性の再認識】をしていた.本研究では,高齢者の終末期の医療と生活に対する意思表出についてCMは,状態や関係性などの個別性に合わせて支援し,意思確認により支援の意義と必要性を認識することが示唆された.

  • 古田 栞菜, 佐々木 八千代, 白井 みどり
    2019 年 23 巻 2 号 p. 68-74
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は,座位からの転倒転落事故による高齢者への身体的影響の有無に関する要因を明らかにすることである.

     介護老人保健施設3施設に勤務する看護師に過去1年間のすべての事故報告書のうち座位からの転倒転落事故を抽出してもらい,事故の状況や高齢者の特徴などの情報を得た.ロジスティックモデルを用いて,性,認知症高齢者の日常生活自立度の影響を調整してオッズ比(OR)を算出した.

     座位からの転倒転落事故は112件で,居室での発生が50.9%と多かった.身体的影響ありは22件(19.6%)であった.上半身の左右の傾きのある高齢者はない高齢者に比べて身体的影響を受けるものが多かった(OR=6.93,p=0.016).

     座位からの転倒転落事故による高齢者への身体的影響の有無には,上半身の左右の傾きが影響しており,高齢者の座位時の姿勢に着目した見守りの重要性が示唆された.

  • 立原 怜, 原 祥子, 小野 光美
    2019 年 23 巻 2 号 p. 75-83
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は,認知症高齢者の血液透析導入後の生活を支える家族がどのような体験をしているかを明らかにすることである.血液透析に通う認知症高齢者の家族7人を対象に半構成的面接を実施し,質的記述的に分析した.その結果,【忘れてしまう注意点に配慮する】【透析を受けることの難しさにつきあう】【透析導入前からの楽しむ力を維持する】【言葉で表せない透析による身体の不調を察し対応する】【葛藤した透析の導入を前向きにとらえられる】の5つのカテゴリーが抽出された.家族は,認知症高齢者の言動に苦心しながらも,その人に合わせた日常生活や体調の管理,透析を受ける手助けをしていることが明らかになった.看護者は,できる限り早期に,家族が認知症高齢者との生活を整えられるよう支援することが必要と考える.また,認知症高齢者のもつ力を尊重している家族を認め,透析の導入を肯定的に受け止められるように関わることが大切と考える.

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