本研究は,意思疎通不可能な高齢者の終末期ケアに取り組む看護職を対象にしたよりよい終末期ケアを目指すための教育プログラムを開発し,その介入効果を評価することを目的とした.教育プログラムの構成要素である「死生観」「ケア意欲」「ケアの意義」「感情処理」を評価指標とし,既存の尺度を用いて測定した.全4回の教育プログラムのすべてに参加した療養病床の看護職40人を分析対象とし,介入前・介入中・介入直後・介入2か月後の測定値について反復測定分散分析を行った.「死生観」を評価する「看護師の死生観尺度」(岡本ら,2005)の第Ⅱ因子「死の不安」(p=.030)と第Ⅲ因子「身体と精神の死」(p=.010),および「ケア意欲」を評価する「看護師の仕事意欲尺度」(佐野ら,2005)の下位尺度「現在の仕事に向ける意欲」(p=.005)で有意な変化がみられ,死生観の深化とケア意欲の向上において,教育プログラムの有効性が示唆された.