2024 年 28 巻 2 号 p. 106-114
口腔がん切除再建手術を受けた後期高齢者の自宅退院後の生活を見据えた入院中の看護を明らかにするため,3事例について半構造化面接により退院直後からの生活状況を聴き取り,入院中の事例と看護の経過を記述した.退院後,3事例は,摂食嚥下障害に対して,入院中の食事経験や看護を基に自ら食事を工夫することで困難を克服していた.また,長期入院による体力低下のため退院直後に強い疲労感があったが,周囲の支えを得ながら,生活を継続していた.その背景には,退院後も変わらない人間関係と役割,役割遂行への強い信念があった.入院中の看護として,退院後の摂食嚥下障害と体力低下を予測した看護,入院中の行動の背景にある役割・信念を理解した看護,生活を支える人との変わらない人間関係を理解した看護が重要であることが示唆された.