フィ−ルドワ−クは地理学が十八番とする方法であり,地理学のフィ−ルドワ−クは諸環境を複眼視して総合的に捉えるところに特徴がある。地理学のフィ−ルドワ−クの方法や見方・考え方は時代ととともに少しずつ変化している。昭和の時代のフィ−ルドワ−クは達人と呼ばれるような研究者による職人芸的な方法を重視してきた。しかし平成の時代になると,フィ−ルドワ−クの方法はマニュアル化・標準化され,個人情報の壁に抵触しない範囲でデ−タを集めるものとなった。令和の時代においては,地域コミュニティと共に活動しながらデ−タを取得する地域協働型フィ−ルドワ−クや,地域コミュニティと共に課題解決のために調査し地域づくりを行う地域共創型フィ−ルドワ−クが地理学の研究に新たな可能性を与えるものとなっている。