2025 年 6 巻 2 号 p. 30-35
大規模災害時,在宅人工呼吸器使用者は避難が困難であり,停電によるリスクが高い.現行の対策案である専用の内部・外部バッテリ(以下:バッテリ)は駆動時間が約24時間であるため,長時間の停電には対応困難である.人工呼吸器の推奨電源はいわゆる壁コンセントからの商用交流電源であり,代替電源の利用には医薬品医療機器等法上の制約も存在する.本研究では,ポータブル電源の直流(DC)出力と専用DCケーブルを用いた給電方式を検証した.その結果,交流(AC)出力に比べて電力損失が少なく低電力で長時間駆動が可能であった.本法は,災害時における実用的な停電対策として有用であり,今後の実装・普及が期待されたので報告する.