日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携
Online ISSN : 2434-4842
Print ISSN : 1883-6380
在宅における「行動障害および精神症状」を有する認知症高齢者の支援に関する専門職連携の在り方について
今福 恵子 見城 道子大杉 紘徳山下 香枝子
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2012 年 5 巻 1 号 p. 11-20

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抄録

【目的】国内における,行動障害および精神症状(以下:BPSD)を有する,在宅の認知症高齢者の支援に関する専門職連携の在り方について検討した。 【方法】医療福祉専門職9名へのインタビュー調査を,BPSDを有する認知症高齢者に関わる専門職の役割とケア・連携について行い,施設間連携,実際の連携の経験等について調査した。データは質的に分析した。 【結果】医療福祉専門職は,カンファレンスや書式の工夫をするなどして連携をとっていた。お互いの役割の認識不足によるケアプラン内容の相違や,ケアが継続困難になるなどの課題があった。 【結論】連携の円滑な在り方として,①多職種の共通理解が必要であること ②状況変化や連携が必要だと判断した職種からの情報発信と,サービス提供につなぐこと ③各専門職やチームメンバーがBPSDと相互の役割に高い関心を持つこと,およびそれが維持されること ④相互支援による各職種の自尊心の保持と,ケアが実施され続けること等が必要であることが示唆された。

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© 2012 日本保健医療福祉連携教育学会
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