日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携
Online ISSN : 2434-4842
Print ISSN : 1883-6380
介護療養型医療施設の看護師・医療ソーシャルワーカーの業務に関する認識
専門職連携に焦点を当てて
田中 結香 望月 宗一郎
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2013 年 6 巻 1_2 号 p. 2-10

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抄録

【目的】 本研究は,介護療養型医療施設の円滑な退院促進に必要な要素と専門職連携の在り方を検討するための基礎資料として,退院調整に携わる看護師とMSWの業務に関する認識を明らかにすることを目的とした。 【方法】 全国の介護療養型医療施設の退院調整に携わる看護師250人とMSW250人の計500人を対象に,無記名自記式質問紙郵送調査を行った。 【結果】 有効回答数は335人(67.0%)であった。看護師はMSWよりも「業務量が多い」,「医師と連携を取ることが困難である」と認識しており,MSWは看護師よりも「看護師と連携することが困難である」,「経営者が業務内容を理解してくれている」と認識していた。また,看護師,MSWともに,日常業務の中で「社会的入院」について考えていた。 【結論】 日頃の業務の多さや互いの業務内容の認識不足から「専門職連携」が上手に機能していない実態が明らかとなり,今後,保健医療福祉の専門職が協働して相談援助に関わり退院調整を図ることが重要であることが示唆された。

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© 2013 日本保健医療福祉連携教育学会
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