福祉のまちづくり研究
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騒音下における音響案内の種類と視覚障害者による方向定位及び方向同定時間との関係
佐藤 洋森本 政之佐藤 逸人
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 11 巻 2 号 p. 41-48

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抄録
誘導鈴は方向情報や場所情報を正確に伝達できて初めて、利用者に対して安全で円滑な移動支援を行うことが出来る。すなわち、然るべき方向から聞こえ、誘導すべき方向を示すことが重要である。しかし、誘導鈴の音量や周波数特性などの物理的特性については科学的な根拠がなく作成されたために、提示されている信号の方向の方向定位性能、言い換えればどの程度正確に方向が利用者に伝わるか、は明らかでない。本研究では、視覚障害者の円滑な移動支援を目的として国内で広く用いられている音響案内(ピン・ポーン音、鳥の声、音声)の方向定位性能を評価する目的で、高齢者を含む視覚障害者に被験者として参加してもらい、頭を自由に動かせる条件で、方向判断の正確さと方向同定までに要する時間を測定した。その結果、1)音響案内の信号による方向定位性能の違い、2)利用者の属性と音響案内の信号の関係、の2点について議論し、特に高齢者を考慮した場合の音響案内の信号の持つべき特性について定性的に明らかにした。
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