本調査研究では、腰痛アンケート調査(1,925名)を実施し、腰痛の有無と介助作業場面でどのような腰痛が発生するかについて介助動作場面の問題点を調査した上で、その結果からベッド介助作業での高さを変えた位置での持ち上げによる重量負荷(10kg)を筋電計と呼気ガス分析装置を用いて分析した。結果介護者の腰痛発症者が6割近くあり、既往者を含めると8割近くが腰痛を訴えていた。腰痛が発生しやすい介助動作は、ベッドでの介助場面であった。腰痛発生の原因は、中腰で長く続く作業であり、ベッドでの介助作業は腰の高さでの作業が筋活動量・呼気ガス量ともに負担を減らすことになった。ベッド介助作業は腰痛へのリスクが高く、リスクを減少させるには、腰の高さのベッド介助作業を作業標準とすべきであることがわかった。