社会言語科学
Online ISSN : 2189-7239
Print ISSN : 1344-3909
ISSN-L : 1344-3909
日本語と韓国語の談話におけるいわゆる「中途終了発話文」の出現とその機能
高木 丈也
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 15 巻 1 号 p. 89-101

詳細
抄録
本稿は,日本語と韓国語の初対面談話における,いわゆる「中途終了発話文」の出現とその機能を分析するものである.分析の結果,(1)「中途終了発話文」の形態論的下位分類は,日本語の方が韓国語に比べて多いということ,(2)統語論,談話構成,機能の各レベルにおいて,日本語の「中途終了発話文」の方が,談話における一つの発話規則としてより広い使用域を持つということ,(3)各言語の内部において,談話における発話文の出現は,規範文法の体系と必ずしも一致するものではなく,また,両言語において並行している文法形式においても,発話文末での使用を見ると,異なった出現状況を示しうる,ということが明らかになった.
著者関連情報
© 2012 社会言語科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top