抄録
Web上の情報検索に際し,初心者がよく利用するといわれる階層構造を持った検索サイト(ディレクトリサーチサイト)を対象に,その分類法を検討する.3つのディレクトリサーチサイトを,従来の書籍分類法の一つである日本十進分類法を参考に比較した.調査対象となる全階層の概観,トップページを開いた時の印象,検索のしやすさと関係するパターンのありなし,特定サイトに目立つ特徴などを調査し,従来の分類法とディレクトリサーチサイトの分類法を,それぞれの情報の持つ特性という観点から考察した.従来の書籍を対象とした分類法と,Web上の情報を対象とした分類法とでは,共通点もあるものの,それぞれのメディアの持つ制約の違いによる相違点も多い.その中でも一つのカテゴリやサイトを複数箇所に位置付けるという,Yahoo! JAPANに見られる新しい分類法は特徴的であった.