放送大学教養学部
2004 年 6 巻 2 号 p. 3-11
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最近約20年間の心理学や認知科学では,ヒトの心を進化の産物とみなす生物学的見方と,その作用や形成における社会文化的基盤を強調する社会科学,文化科学的見方がいずれも顕著になってきている.本論文では,このそれぞれを簡単に総覧した後,一見対立するこの二つの潮流が実はヒトの心の総合的な理解において相補的な役割を果たすことを主張する.さらに,進化の産物である心が文化に依存する心性として具体化されるという主張が,心理および社会言語学的研究に対して持つであろう含意のいくつかを述べる.
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