2024 年 31 巻 3 号 p. 247-255
テレワークの利用が増えたことで仕事と仕事以外の領域の境界管理が重要となっている。本研究は,Kossek et al. (2012)の仕事と家庭生活に関する境界管理のプロフィール研究を,日本の在宅勤務者に適応した。クラスター分析の結果,Kossek et al. (2012)で示された4つのプロフィール群のほか,新たなプロフィールの存在が確認できた。彼らは,仕事と仕事以外の領域は融合しており,仕事と家庭のいずれに対してもアイデンティティが低かった。また,仕事を重視する仕事の戦士型が最も多かった。次に,二項ロジスティック分析の結果,在宅勤務の頻度,年齢,職種等の違いによって,各プロフィールへのあてはまりやすさが影響することが示された。さらに学術的および実践的意義について議論した。