2024 年 31 巻 3 号 p. 239-246
在宅勤務は働く場所に柔軟性を与える働き方である。しかし,それがワーク・ライフ・バランスを高めるのか,また,生産性の高い仕事ができる働き方であるかについてはいまだ議論がある。労働時間,職場の支援,仕事と家庭の葛藤は,在宅勤務者のワーク・ライフ・バランスの重要な関連要因である。また,生産性に関しても既存の研究から一貫した結論は出ていないが,孤独感,飽き,心理的ディタッチメントなど,生産性に影響を与えるいくつかの要因が指摘されている。本稿では,新型コロナウイルス感染症流行前の文献を含めて先行研究を概観し,ワーク・ライフ・バランスと生産性を高める在宅勤務のあり方について検討する。